フエルトは繊維製品の中でも最も古くからあり、その歴史は3000年とも5000年とも言われています。おもに羊毛を原料とし、原毛に熱と水分を含ませ圧力をかけて縮絨させて作るフエルトは、通気性、吸水・吸油性、断熱性などいろいろな特徴があります。厚さ、幅、硬度、密度、色などは用途によってさまざまに加工でき、合成繊維を使うことで特性がさらに多彩になりました。
 レジンボンド、サーマルボンド、ニードルパンチなどの合成繊維フエルトや、反毛フエルトは、さまざまな特性を持つ繊維の中から使用目的に合ったものを選択して作ります。また多成分複合、化学処理、表面改良などにより、電気絶縁性、防磁性、UV防止性、ガス吸着性などの高機能を持たせることが可能になっています。
 また新技術の開発によりフエルトの機能も拡大し、環境保全、エレクトロニクス、バイオテクノロジー、宇宙開発など先端分野にまで用途は拡がっています。このように時代の要求により柔軟に変化していくこともフエルト産業の大きな特徴です。
 昔、巡礼の修道僧が羊の毛を靴の中に敷いて、それがフエルト化して快適な中敷きになったという伝説や、ノアの箱舟にまつわる逸話もあります。ノアは洪水が起こる前に、箱舟の床に羊の毛を敷きつめて自分の家族や家畜類を乗せましたが、箱舟の中の湿気と熱、人間や動物にたえず踏みつけられたことによって、羊毛がフエルト化しているのを発見したという話です。フエルトの起源は、このような伝説で語られるほど古い歴史を持っています。

 

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